また一つ時代が変わる

以前勤めていた病院の、直属の上司である技師長が退職される、という噂はその筋から聞いてはいたのだけど、まさかの今日が最終出勤日ということで夕方急遽訪問してきました。

入職してから24年弱お世話になった方。若気の至りでいろいろとあったけど、小生意気な…いや、とにかく生意気だった私を結果的にうまく操縦してくださっていたことも、今となっては感謝しかありません。

実質2年ぶりにお会いする技師長は当時よりもやはりお歳をお召しになっていて、でも相変わらず私の目は直視しない…できない……??視線がすれ違いながらもあの時よりかは少し穏やかにお話ができた気がします。

白衣を返却し、上履きを袋に入れ、大きな花束を両手に抱えて部屋を出て行く後ろ姿を見ながら、3年前の私自身のことを思い出しました。

 
 
もっと人の役に立つ仕事がしたい。もっと陽の目を浴びたい。もっと自分を好きになりたい。

あっけない程簡単に退職届が受理された時に、「私がいなければ仕事が回らない」と私が勝手にしがみついていただけだったと気づきました。 

私がいなくても仕事は全く滞らない現実を見た時に少なからずショックを受けつつ、だからこそもっと力を抜いて大丈夫なのだと楽になることができました。

 
 
そしたら私は少なからず人の役に立っていたし、業績を評価してくださる方もたくさんいらっしゃたし、そんな私も悪くないと思えるようになりました。

受け取れていなかったのは私自身。世界は何も変わっていないけど、私次第で世界の見え方が変わってくる。

そう思えた大きな出来事でした。

 
 
私が入職した時からご一緒させていただいた先輩方はこれですべて退職となりました。

方言がひどすぎて指示を聞き取れないこともしばしばありました。

何があっても良くも悪くも動じないゆるりな空気感でした。

お土産やいただきものを分配する時は必ず毎日出入りする外部業者さんを頭数に入れて分け、控室では技師長の置きコーヒーをセルフで飲んでもらい、担当を外れた営業マンも遊びに来てくれるような部署でした。

今となってはとても温かな場所だったのだと心から思います。

 
 
今日でまた、部署の空気が変わります。

こうやって世界は移ろっていくのものだけど、寂しくもあり、何とも言えない心持ちになります。

写真は私の退職時にいただいたあれこれ。久々に見返したfacebookの投稿がとても懐かしくて、そして初心を思い出させてくれるものでもあります。

さて、私もしっかりと自分の世界を拡げていく。その想いを新たに、明日から精進します。