これは、ある種めぐるものであると感じます。
医療従事者は、入職時にはB型肝炎の抗体が陰性の場合はワクチンを打たなきゃいけません。それは血液を介した感染のリスクが高いため。
抗体ができれば大丈夫なのですが、中にはどうしても抗体ができずに従事している外科の先生もいらっしゃるようです。
私は学生時代、とある医療機関でバイトをしていて、おそらくそこでB型肝炎に感染したため、ワクチンを打たずとも今でも抗体が健在です。
感染の原因として考えられるのは、不特定多数の血液検体を取り扱っていた中、割れたガラスでざっくりと指先を切ったこと。
不顕性感染で終わりかけていたところ、献血して発見され即入院という、なんだかなぁな感染でした。
B型肝炎の感染経路は血液を介する感染、母子感染、性行為感染。
19歳の若かりしわたくしが大学病院の教授回診の時、研修医や医学部生がわんさかいる中で
「セックスはした? カミソリの使い回しはしてない?」
などと何の配慮もなく聞かれて、めたくそ恥ずかしい思いをしたことは今となっては懐かしい思い出でもあります。
当時の父は、感染したと考えられるその医療機関を訴えてやるーーっっ!と叫んでいたと後に母から聞いたのですが、親にしてみれば、そんな病気に「させられた」ことは耐え難いですよね。
私にしてみれば、バイトを2つクビになって、クラスの誰よりも楽しみにしていた研修旅行に行けなくて、入院直前のテストで「肝炎について述べなさい」という問題に答えられず、発症後なら満点取れたのに、と後悔したくらいで。
さて、昨今。
「うつされる」「うつさないように」という言葉をめちゃくちゃ聞きます。「人にうつさないため」のステイホーム。確かに必要。
ただ、本来は(意図的な場合を除いて)誰も被害者ではないし、加害者ではない。ましてや差別があってはならない。
どんなに不安で殺伐としていても、現実を俯瞰し、誰のせいにもせず、誰も傷つけないような心のゆとりは持っておきたいって、みんなホントは思ってるだろうに。
こういう時こそボディワーカーたちの出番なのになーって思いつつ、休業要請。ね 笑