【 寝るということ 】
いろんな概念に触れてきたけど、結局大切なのは睡眠。
食事よりも断然睡眠。
然るべき時間に、然るべき睡眠時間を取るということ。
多くの方に睡眠の実態についてお伺いすると日付をまたいで就寝していらっしゃって、なおかつ圧倒的に睡眠時間が足りない。
かく言うわたしもついつい…となることは多々あります。
が、もしそのメカニズムを知らずにいるのであればもったいないことです。
まず就寝時間。
美容の世界では22時~2時が成長ホルモンの分泌ピークだと言われ、それがそうでもないなんて話も流れましたが、やはりその時間に眠っていることは大切。
しかも眠っていないとホルモンは分泌されないと言います。
中医学的には「一度の食事よりも子の刻の睡眠を」と言われているくらいで、陰陽の入れ替わりである23時~1時は眠ること。
さらに1時からは血が作られる時間になり、血を作ると同時に浄化の時間にもなります。
アーユルヴェーダ的には22時~2時が肉体回復、精神面の消化の時間とされています。
要は肉体の回復にも、心の回復にも、この時間に寝つき、熟睡するということが心身の健康につながります。
夜勤従事者の発がん率もデータ化されていますが、とはいえじゃあ転職するかというとそうもいきませんよね。
わたしは今でもたまーに夜勤をすることがあります。
初めて夜勤した時はまじめに座位のまま。仮眠もとらず。空き時間には本を読んだりパソコン作業したり。
で、夜勤明けから数日間はきつく仕方がありませんでした。
なのでその次の担当日には、空き時間は横になるように心がけました。すると完全に眠りはしませんが、それでも疲労感は断然減っていました。
そこで感じたのは重力からの解放です。
特に内臓は常に重力に従っていて、骨盤底筋の方に向かってぎゅぎゅっと押されている状態です。
しかも座位のままで作業をするとどうしても猫背気味になり握りつぶされた状態になってしまいます。
本来であれば1日の3分の1が睡眠に当たりますが、睡眠時間が少ないという事はそれだけ内臓に対する重力的な負担がかかったままになります。
わたしたちが立ちっぱなし、歩きっぱなしでは疲れてしまうのと同じように、内臓も重力から解放されるともゆっくり休むことができますよね。
そしてもう一つ、血液は骨の中の骨髄というところで造られているのですが、これも重力からの解放があっての働き。
日中は身体を支え脳や内臓を守る働きであったり、血液中のミネラルバランスを整えたりする働きがありますが、夜になり重力から解放されると心置きなく血を造ることに専念できるというわけです。
中医学でいう血を造る時間というのと合致していますよね。
ということで、睡眠はただ眠ればいいということではなく、タイミングと時間確保がとても大切です。
このメンテナンス時間があってこそ心身のパフォーマンスも上がり、質がいい呼吸をすることができるし、食べ物を効率よく消化することができるのです。
健康になるために特別な何かをするよりも、まずここから見直してみませんか?